反論点のまとめ

1、「子供を狙った性犯罪が急増している」論に対して
実際には(小学生以下の強姦被害者数 1963年 550人→2004年 54人)
昭和40年以降から減少傾向にあり、ここ数年間は横ばい状態である。
*90年代からは強姦・強制猥褻の総数は増加に転じているが、
これは痴漢の厳罰化(迷惑防止条例違反→強制猥褻)、被害者対策要綱の制定、
刑事訴訟法の改正による親告期間の撤廃、女性に対する性的被害や児童虐待を防ぐ法律の制定等の影響であり、
増加傾向も2004年でストップしている。
又未成年者の強制猥褻被害者数は増加傾向にあるが、その殆どが中卒以上のものであり、
中学生以下の者の増加率に比べれば中卒以上や成年者の者の増加率の方が高い。



2、「未成年者による凶悪犯罪の増加・凶悪化」論に対して
実際は昭和30年代がピークでそれ以降は急速に減少している。
・未成年者の検挙人員:強姦 1958年 4,649人→2004年 162人 殺人 1961年 448人→2004年 62人
*未成年の凶悪犯罪(殺人・強姦・強盗・放火)の合計は、1995年 1,479人→1997年 2,430人と急増しているが、
これは少年犯罪取締の強化に伴う強盗の判断基準の変更による影響であり、
(これまでは万引き犯が取り押さえようとした店員を殴って逃走した場合は強盗としてカウントされたが、
逃げる時に偶然他の客とぶつかり、怪我をさせた場合でも強盗としてカウントされるようになった)
又他の凶悪犯罪も90年代後半に一時的に増加しているが、
(殺人 1995年 80人→1998年 117人 強姦 1995年 268人→1998年 460人)
現在は一様に減少傾向にある。
(殺人 1998年 117人→2004年 62人 強姦 1998年 460人→2004年 162人 強盗 1997年 1,701人→1,301人)
触法少年(13歳以下)の強姦検挙人数も、(1961年 118人→2004年 7人 )と大幅に減少している。